のぞき見!モルモンLIFE

科学と宗教

科学がある現代、神様は必要ないのでしょうか。
科学と宗教は相反するものではなく、神様への信仰を持ちながら科学を信じることはできます。

宗教を信じる者として、科学と宗教について考えることがよくありますし、聞かれたりもします。
今回は、「科学が発達した今、世の中の仕組みは全部わかってるし、神様もいないよ。宗教は必要ないんじゃない?」と思う方へ、信仰を持つ者が、科学に関して例えばどんなことを思っているのかご紹介したいと思います。

※本記事には、ライター個人の考えが含まれています。
会員によっては、各自の健康に関する信条や見解が一部異なる場合があります。

「世の中の常識」は、ほんとに常識?

皆さんは、「進化論」を信じていますか?生命は突然変異を繰り返して、今の形にまで進化した、という説です。この進化論によって、神様の「天地創造」は嘘だ!という主張があります。

みなさんは、教科書に書いてあるのでこれが確定した事実であると思っていませんか?

実は、進化論に反対する科学者は今も大勢おり、さらに、進化論自体にも「○○進化論」というような様々な説があるのです。生物の起源は今でも、世界中の科学者が答えを探求している「研究途中の分野」なんです。実際、突然変異のほとんどは「悪い」方向への変異であり、突然変異が真実だと主張するなら、生物達は今まで、天文学的な確率の「良い方向への変異」をひたすら成功して来なければならないということになります。また、オスやメスといった「性」があることは、生物の生き残りという観点では全くの非効率で無駄な仕組みなので、生物がなぜ性を持っているのかも解明されていないようです。

このように、わたしたちが当たり前だと思っていることも、実は現代科学ではまだまだ解明できていない、といったことが無数にあります。

逆に、「天地創造が実際に7日間で起こった」など、聖書の言葉をすべて文字通りに読む必要もなく、象徴を含む寓話であるという説や、「一日」という言葉が指す時間の単位が現代人と違っていた、という説もあります。

とっても「非常識」な量子の世界

皆さんは「量子力学」をご存知ですか?なんとなく聞いたことがあるけどよく知らないなぁ、といった方が大半なのではないでしょうか。

量子力学とは、物質を構成する、電子などの小さな素粒子達に関する法則を研究する学問です。量子の世界では、わたしたちの日常からは想像できないような、粒子達の変な振る舞いがたくさん発見されています。たとえば、ひとつの量子が、遠く離れた違う場所に同時に存在したり、テレパシーのように何光年も離れた場所へ一瞬のうちに情報を伝達できたりします(この短い記事で詳しく説明するのは難しいので、気になる方は「量子力学」などとググってみてくださいね)。

この世界がこんな不思議な素粒子でできているなら、わたしたちの目に見えない存在や、ありえないと思われるような奇跡、今まで知られていない法則が、あるような気がしてきませんか?

この世の真理はどこにある?

神様を信じる科学者はたくさんいます。たとえば、地動説を提唱したコペルニクスや、万有引力の法則で有名なニュートンなど。さらに、現代の科学者にもです。

科学を探求すればするほど、この世界の複雑さと美しさを目にして、こんな世界が偶然できたなどと到底思えないと感じるわけですね。

アインシュタインはこのような言葉を残しています。
「宗教なき科学は不具であり,科学なき宗教は盲目である」1
神様を信じながら、神様が創造されたこの世界の真理を解き明かしていく・・・科学と宗教は相反するものではなく、どちらも両立できるものだと、私は信じています。

ごきげんラクダ

脚注

  1. 岩波書店 『科学』巻頭言・2005年3月号「アインシュタインと信仰